【映画批評】ゴジラ-1.0/C

モノクロ映画の可能性

2023年11月に公開されたゴジラ-1.0
それから二ヶ月経った2024年1月に、モノクロ版ゴジラ-1.0/Cが公開される。
マイナスワンに対してマナスカラー。ネーミングで一本取られた。
いままでもカラーで公開された映画をモノクロ化することはあった。
「マッドマックス」「ローガン」そして「シン・ゴジラ」
特別な鑑賞や販売の映像特典(おまけ)としてはあったが、カラーと連続した興行というのはとても珍しい試みである。
監督によれば、単にカラー作品の色を落とすのではなく、モノクロ映像がもっとも作品世界を表現していくために最適の調整をしていったとう。その効果は十分に伝わる。
私達がもっとも身近に感じるモノクロ映像は古いニュース映像かもしれない。
それと相まってモノクロ映像は直感的に郷愁へと通じていく。
今回のゴジラも時代背景とモノクロ映像が強烈にシンクロしていく。

色を失ったゴジラの得たものは

色を失った映画は何を訴えるのか?
色という装飾を取り去ったあとの純粋な恐怖。色がぼやかしていた「型」の美しさ。
映像を通して現される「感情」がよりストレートに伝わってくる感覚を覚えた。
暗闇から襲いかかる冒頭のゴジラ
海上にて船を執拗に追跡してくるゴジラ—海がひたすら黒い
ゴジラの持つ「悪意」や「怒り」が白と黒の世界でより鮮明に描き出されていた。

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